さくら一家の物語 第七章 さくらちゃんの手術と別れ

それから毎日探しました。これは連れ去りに違いありません。子猫が単独で遠くまで歩いていくわけがありません。もし交通事故で死んでいたら、そう思って清掃センターにも連絡しておきました。しかし2匹は全く消息がつかめませんでした。
ある日「そういえば・・・・」と軒を貸してくださっている家の方が教えてくれました。近くの高校生が可愛い可愛いと何度も来ては撫でていたので、その子がお家へ連れて行ったのではというのです。他にも「もしかしたら連れて行って誰かが飼っているかもよ」と何人かに言われました。せめてそうであってほしい、次第にそう思うようにしました。
ですがこうなったらプルプルちゃんもまた危ないです。急いで里親を探さなくてはなりません。我が家はミルがいます。何回か一匹ずつお見合いをした時も、どの子もダメでしたので我が家では飼えません。軒をお借りしている期間も9月の末までです。10月の1日には地元の神社でお祭りがあります。人の出入りも多くなりおまけに伝統の仕掛け花火もやるので神社に近いそのねぐらと餌場は危険がいっぱいです。
いつだったかねぐらの奥に住む方が「もし子猫達がいなくなったら私の家をねぐらにさせてご飯もあげるから大丈夫よ、後の事は心配しなくていいよ」と言って下さっていたので、里親さんを探すと同時にさくらちゃんの手術を決行することにしました。


さくらちゃんをキャリーケースに入れて運ぶので先ずその訓練から、遊び感覚で置いておき、出たり入ったりしてる間に入口の蓋を閉めるという作戦です。2、3日でそれもすぐ完了、さくらちゃんを収容して我が家へ連れてきました。


もちろん子猫の方も、プルプルちゃんは抱っこして運び我が家へ、ミルが子犬の時使おうと買ったきり使わなかったケージに入れてやりました。そして、ミルの通っている動物病院で手術を無事に済ませました。
次の日2匹を元に戻す前、さくらちゃんの様子を確認したのですがどこもなんともなかったので一安心、ご飯も朝からモリモリ食べてくれて、お薬も飲ませてさてでは戻しに行くという時になって、たった一晩でしたが親子を預かった事で別れがたくなってしまいましたが、里親さんも見つかりそうだったし、さくらちゃんをお世話してくれる方も現れたので元の軒下へ返しに行きました。
里親さんが決まるまで期限は後一週間もない所まで迫っていました。
新聞の募集欄を見て電話をかけてきた方がいると防止会の方から連絡があり、その方がとってもよさそうなので決めたらどうかと言われました。時間も迫っていたので私もそれで決めることにしました。


連れて行く日、最後に一緒に遊んでご飯をあげて記念写真も撮りました。段ボールにペットシートとタオルを敷いてその中へプルプルちゃんを入れて連れて行くことにしました。さくらちゃんも気配で分かったのかしばらく私の後をついてきたのですが、途中で引き返していきました。「ごめんネさくらちゃん、でもこれが一番いいのよ。幸せになってもらうからね」と約束して後ろ髪をひかれる思いで走りました。
待ち合わせたスーパーの駐車場でその親子は待っていました。人のよさそうな方で子供が3人いるという事で一番末の女の子を連れて来ていました。飼っていた猫が最近死んでしまったのでその代わりになる猫を探していたという事でした。毛がらも同じキジトラなので段ボールの中を覗き込んで「かわいい!」ととても喜んでいました。早速お約束の手術の事とワクチンの事をお話しすると、時期を見てやってくださる事に。スーパーで餌や砂など早速買って用意したとのことで私もやれやれと帰路につきました。



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